緑のオアシズを創造する新たな造園事業の試みをマーケティングから紐解く

  今回は人工芝の設置をしている企業様にご提案したケースをご紹介いたします。制作したホームページ(LP)を基に、私たちLEMITHがどのようなアプローチで案件に取り組んでいるのかを一部分だけお見せするシリーズの第3弾です。私たちLEMITHがどういった企業であるかを少しでも知っていただければいいなという想いで公開しております。 今回のケースは造園業を営むお客様からのご相談が事の発端でした。 ・造園業を営んでいるが、人工芝の事業により力を入れたい。 ・新規事業のため認知度の周知に至ってない。その方法すら検討がついていない。 ・予算はあんまりないが、早めに施策を打ちたい。 以上がご相談内容の要点でした。 ご依頼をいただいて弊社では人工芝における事業のサービス提供実績がなかったため、 この段階で調査を行いました。 そもそも、人工芝のサービス自体に需要があるのか?の点からであったため 全体的な需要と提供する地域における需要を調査しながら、 申し込み数増加や収支を立てていく流れを推定しました。 初めに、全体的な需要についての調査結果ですが (人工芝や外構エクステリアにおける商業の流通総額のグラフ図) もりかわの反証材料が見つからない (提供する業者グリーンワークスの商圏) 主に関東近郊ベッドタウン 庭付き物件が多い郊外エリア (庭がある戸建住宅) 景観をきれいに保ちたい 手入れコストを下げたい 緑を入れたいが害虫や害獣を避けたい 草刈りの手間をなくしたい 予算は少ないが庭をきれいにしたい etc (商業施設) 中庭や屋上ガーデニングエリアが人工芝の場所も増えてきた ちょっとしたスペースに人工芝で緑を付け加える例も見受けられる (自治体関係) 学校や保育園などの校庭・園庭が人工芝に代わっているところがある 以上のことから全体的な需要と商圏における需要があることが確認できました。 では実際にサービスを提供する上でのメリットやデメリットなどを具体化する上で、 マーケティングフレームに落とし込みながら解説していきます。   【3C分析】 顧客 (Customers): 主な顧客層は、越谷市やその周辺地域から関東近郊の庭付きに住む家庭や緑地化したいスペースのある企業などの可能性が高い。これらの顧客は手入れの手間を省きたい、美しい庭や緑地を所有したいと考えている。 人工芝は忙しいライフスタイルを持つ顧客や、天候や環境条件に左右されない美しい庭を求める顧客にとってとても魅力的である。 競合他社も同様の顧客層をターゲットにしている可能性が高い。顧客のニーズを正確に把握し、差別化された価値提供(丁寧な施工・充実したアフターメンテナンスetc)を行う必要がある。 手入れが必要だが、頻繁に手入れができない・手入れしにくい場所(お墓・別荘etc)がある方には強くおすすめできる。 企業 (Company): 強みは造園業界での経験と専門知識、そして人工芝の設置技術である。 弱みとしては、競合他社と比較して知名度やマーケティング不足の懸念がある。 庭園の減少により、市場規模に陰りが見えている。 市場戦略としては、顧客に対して高品質な人工芝の設置と、その手入れの手間の軽減を強調し、専門性と信頼性をアピールすることが重要である。 新たな顧客層へのアプローチが必要で、それに人工芝のサービスに注力する。 競合他社 (Competitors): 競合他社は、同様の人工芝設置サービスを提供しており、技術やサービスの面で競合している。 競合他社は地域内の他の造園業者や、大手ホームセンターや建材店など、多岐にわたる。なかでもDIY勢は競合として強いと想定される。 競合の強みや弱み、市場戦略を分析し、差別化ポイント(プロの施工による品質の担保)を見出すことが重要である。   【4P分析】 Product (製品): 主力製品(サービス)は人工芝とそれに関連する設置サービスである。 人工芝製品は耐久性が高く、日々の手入れは不要で耐用年数が長めに設定できる。天候や季節の変化に影響されない美しい庭を提供する。 人工芝にはさまざまな種類があり、顧客の好みや庭の用途に応じて選択できる。(特に色味) 人工芝に限らず、造園やエクステリア全般の仕事を提供できる。 Price (価格): 人工芝の価格は、製品の品質や種類、設置面積などに応じて異なる。天然芝と比較すると安価に設置でき、維持費用を考えるとかなり低価格に抑えられる。 競合の価格と比較して、価格設定は適正である。 価格設定戦略としては、高品質な製品と施工を提供しつつ、競合他社との価格競争に適切に対応する必要がある。ただ、DIY勢との価格面での比較では勝ち目がないので、プロが施工することで品質を高める方向性で差別化を図る必要がある。 Place (流通): サービス提供は、越谷市に拠点を置く造園業者として、出動できる範囲内(関東近郊)で主に現地で提供される。 顧客は問い合わせて見積を依頼し、双方の同意が得られたのちに、設置サービスを利用する。 施工エリアや設置範囲、納期などを明確に伝え、顧客とのスムーズなコミュニケーションを確保する必要がある。現場検証が必要になる場合もある。 Promotion (販売促進): 販売促進活動は、オンライン広告、地域広告、口コミマーケティングなどさまざまな手法を組み合わせて実行できる。 ウェブサイトやソーシャルメディアを活用し、製品やサービスの魅力を伝える。 顧客満足度を高め、口コミや評判を通じて信頼を築くことが重要である。 【4C分析】 Consumer (消費者): 消費者は3C分析でも触れたように、忙しい家庭や企業のオーナー(=手入れの手間をかけられない)、庭や緑地を所有する個人や企業である可能性が高い。 これらの消費者は、手入れの手間を省きたい、美しい庭や緑地を所有したいと考えており、人工芝の設置がそのニーズに合致している。 消費者のニーズや嗜好を把握し、製品やサービスを提供する際にそれに合わせたアプローチを取る必要がある。消費者にとって魅力的に見えることが必要だが、特に予算感には敏感でなければならない。 Cost (費用): 製品やサービスの価格は、消費者にとって魅力的である必要がある。比較対象となりそうな天然芝やウッドデッキなどには特に調査が必要である。 消費者は価格だけでなく、維持や手入れの費用も考慮するため、長期的な費用対効果を重視する場合がある。それらを訴求する工夫も重要になる。 価格設定を適切に行い、消費者にとってコストパフォーマンスが高い選択肢であることを示す必要がある。 Convenience (便利さ): 製品やサービスは、消費者にとって利用しやすく、手軽に入手できる必要がある。 製品の注文や設置手続き、アフターサービスなど、全体のプロセスがスムーズで便利であることが重要である。 消費者の利便性を最大化し、購買体験をより良いものにするために努力する必要がある。施工に関する知識や技術は日々アップデートしていくことが重要である。 Communication (コミュニケーション): 消費者とのコミュニケーションを強化し、製品やサービスの魅力を伝える必要がある。 ウェブサイトやソーシャルメディア、広告、ポスターなど、さまざまなコミュニケーションチャネルを活用して、消費者に情報を提供する。 同時に、消費者からのフィードバックや問い合わせに迅速かつ適切に対応することも重要である。特に問い合わせのレスポンスにはスピードが求められる。 【SWOT分析】 Strengths (強み): 技術力: 造園業界での豊富な経験と専門知識を持ち、高品質な人工芝の設置技術を提供している。 品質: 人工芝製品は耐久性が高く、美しい外観を長期間に亘って維持することができる。 顧客満足度: 庭職人が丁寧な仕事を行い、顧客から高い評価を得ている。実績が蓄積されていることが1つの証明となる。 Weaknesses (弱み): マーケティング力: 競合他社と比較して、知名度やマーケティング戦略の取り組みが不足している可能性がある。 地域限定: 拠点は越谷市にあり、地域外の顧客にアクセスする能力が限られている。(関東近郊) 価格競争力: 現時点では受注数の増減から、充分に戦えている。今後は一部の競合他社の動向次第で、価格戦略に影響を与える可能性がある。 Opportunities (機会): 増加する需要: 人工芝の需要が増加しており、都市部や住宅地での庭の改造や緑地整備の需要が高まっている。 新しい市場開拓: 地域内外の新しい顧客層をターゲットにし、市場シェアを拡大する機会がある。アピール方法に関しては検討する必要がある。 技術革新: 人工芝技術の進歩により、より耐久性の高い製品や新しいデザインが可能になり、顧客への訴求力を強化できる。 Threats (脅威): 競合他社: 他の造園業者や大手ホームセンターなど、競合他社が競争激化をもたらす可能性がある。他業者の進出が最も大きな脅威になりうる。 代替品の登場: 人工芝に代わるものが登場する可能性がある。   【PEST分析】 Political (政治的): 政府規制: 造園業や環境関連の規制が変更される可能性があり、弊社の事業に影響を与える可能性がある。例えば、環境保護法や土地利用規制など。 政治的安定性: 政治的な不安定要因が影響を与え、業界全体の成長や安定性に影響を及ぼす可能性がある。 Economic (経済的): マクロ経済状況: 経済の景気循環や成長率、インフレ率などが弊社の事業に影響を与える可能性がある。新型コロナなどの影響により、新しいライフスタイルが確立され、住環境にお金をかけるトレンドにある。そのトレンドはエクスペリエンスにも波及している。 為替レート変動: 外国産業の製品や素材の価格が変動することがあり、原材料の調達や製品価格に影響を与える可能性がある。(昨今の円安相場は価格上昇に影響している) Social (社会的): 消費者の嗜好と動向: 人々の新しいライフスタイルや価値観の変化(特に新型コロナ流行語)に応じて、庭造りや緑地整備の需要が変化する可能性がある。例えば、環境に配慮した庭づくりや低維持費の庭への需要が増加することがある。 人口構成の変化: 高齢化社会や若年層の減少など、人口構成の変化が需要や市場動向に影響を与える可能性がある。 Technological (技術的): 技術革新: 造園業界における新技術や製品の開発が進むことで、人工芝の耐久性や外観、設置技術が向上し、弊社の競争力を強化する可能性がある。 デジタル化: インターネットやモバイル技術の普及により、顧客とのコミュニケーションやマーケティング活動が効率化され、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性がある。 ここまで整理すると、これらのご相談内容をクリアする施策案としては、人工芝に特化したLP(ランディングページ)を制作することが最も妥当であると判断し、ご提案しました。LP制作もHP制作と同様の過程を踏みますが、少々異なるところもありますので、そのあたりをザっと解説していきます。 LPを選択した理由は大きく2つです。 ①新規顧客を獲得するためには外への発信が必要になること ②予算規模が小さいがスピード感を重要視していること LPを利用して効果的に新規顧客にアプローチするためには、想定される顧客モデルを仮定し、その属性にあてはまる層が反応するような工夫が必要です。 そもそもLPは、アクセスされたときに初めて効果を発揮する特性があります。 確度の高いユーザーや温度感の高い人、悩みを持った方に対して、その課題解決とニーズへの訴求をすることで申し込みにつなげるといったものです。 LPにはアクセスされる前と後で留意する点がありますので簡単に解説します。 〇アクセス前段階(どうアクセスしてもらうか) ・広告の媒体やフローについて案内する 有料広告 → LP チラシ  → LP 自然検索 → LP 予算や効果などをグラフ化して 〇アクセス後段階(いかにアクションを起こしてもらうか) せっかくのアクセス流入を無駄にしたくはないため、具体的な顧客モデルを想定し解像度を高め、購買や問い合わせといったアクションを起こしやすくする。 今回のケースでは、 「小さい子供のいる家庭(夫婦20代~30代)の庭付き戸建て住宅に住む関東近郊の郊外エリアに住んでいる家族」 をメインターゲットにする。 今回のLPにおいて特に訴求力が高いポイントを中心に構成する。 ①あらゆる面のコスト削減(価格) ②人工芝が持つ景観の美しさ ③プロが施工する安全性 ④実際の施工実績で信頼度を示しながらイメージを具現化 ⑤ストレスのないデザイン性を重視 以上を踏まえて、今回のLPを制作した次第です。 LEMITHが制作するLPは2つの大前提の上に成り立っています。それは最適な情報量に調整することとインパクトとわかりやすさが共存するデザインで制作することです。LPの特性上、多くの情報を盛り込んでしまい非常に長いレイアウトになることがしばしば見受けられますが、最も回避するべきパターンだと考えております。なぜなら、ユーザーにすべての情報を伝えることは不可能だからです。伝えたい情報の優先度を見極め、取捨選択して絞ることで、アクションにつながるような伝え方がやっとできると考えております。ご依頼いただいたケースでは、伝えたいことを絞っていく作業で苦心することが茶飯事ですが、そこにLEMITHへの価値があると奮い立たせて格闘しております。 以上のような過程を経て、制作が進行していきます。 今回のケースでは、一部分ながらLEMITHがどういうスタンスでLP制作をしているかをお見せしました。その他にもLEMITHのサービスや制作内容等にご興味ありましたら、是非お気軽にお問い合わせください。心よりお待ち申し上げております