キャリアコンサルティング事業における企業戦略をフレームを元に解説していく
本事例はキャリアコンサルティングの事業を展開する企業様に向けて、さまざまな分析方法を用いて、ホームページ上で何を訴求するのかということにフォーカスを当てた1つのケースです。さまざまな分析を通じて、顧客や市場、競合状況などを把握し、それに基づいてLEMITHが効果的なホームページを構築する途中段階の一部分を解説いたします。以下に、それぞれの分析結果を示し、制作過程の一部分をご紹介いたします。
まず自社がどんなポジションにいるかを把握する必要があります。これはビジネスにおいては必須です。どんな環境にどのあたりに位置しているのかマクロの視点で把握していくことでより具体的な戦略を立案することにつながります。その1歩目となるのが3C分析です。
3C分析の3Cとは、顧客(Customer)・競合(Competitor)・企業(Company)の英単語の頭文字Cからきています。これらを書き出すことによって、自社と自社を取り巻く外部の現状が整理できます。では、本事例の3C分析を見てみましょう。
3C分析:
1. 顧客 (Customer):
– キャリアコンサルティングの顧客は、自己成長やキャリアの発展に関心を持つ個人や、組織の人材開発部門、HR担当者などが想定されます。
– 顧客は、自身のスキルや能力を向上させ、職場での成功を目指しているため、自己啓発やキャリアプランニングの支援がニーズとなります。
– また、顧客は柔軟性と個別対応を重視し、自分のニーズに合ったサービスを求めており、自己中心的にサービス選択を行います。
2. 競合 (Competitor):
– キャリアコンサルティングの市場には、大手コンサルティングファームや個人のキャリアコーチなど、さまざまな競合が存在します。
– 競合他社は、自社の専門性やサービス提供形態、価格競争力などで差別化を図ります。
– 顧客は、複数の選択肢の中から自分に最適なサービスを選択する傾向があります。冷静に比較されているでしょう。
3. 企業 (Company):
– 自社の強みとして、豊富な経験と専門知識、そして顧客志向のサービス提供に自信を垣間見ました。
– 自社のサービスは、高品質でパーソナライズ(顧客ごとに最適化)されたキャリア支援を提供することに焦点を絞っています。
– また、自社は迅速かつ効果的なコミュニケーションと柔軟なサービス提供体制の確立を目指しています。
以上が、3C分析の結果です。対象企業の大枠を捉えることができたと思います。
続いて、自社に焦点を絞り、深掘りしていきます。
そこで実施するのが、4P分析です。4P分析の4Pとは、商品(Product)・価格(Price)・場所(Price)・販売促進(Promotion)の英単語の頭文字のPからきております。自社の内部について詳細を認識することにつながり、より具体的な戦略案のために重要な分析となります。実際の分析を見てみましょう。
4P分析:
1. 商品 (Product):
– 提供するサービスは、就職・転職支援、リスキリングやキャリアプランニングなど多岐にわたります。また、キャリアコンサルティング自体の向上を視野に、キャリアコンサルタント資格の取得支援、蓄積してきたスキルやノウハウを利用したキャリアコンサルタント教育、キャリアコンサルタント同士のコミュニティ構築など教える側へのサービスも展開しております。
– 顧客のニーズに合わせてカスタマイズされたプログラムを提供し、価値ある成果を実現します。
2. 価格 (Price):
– サービスの価格設定は、提供する価値や市場競合などを考慮して行います。
– 複数のプランやオプションを提供し、顧客の予算やニーズに柔軟に対応します。(契約後に顧客との齟齬が生まれないように配慮しなければならない)
3. 場所 (Place):
– キャリアコンサルティングはオンラインや対面で行われることがあります。
– 両方の形式を提供し、顧客にとって最適な形態でサービスを提供します。(顧客の状況変化への対応がカギ)
4. 販売促進 (Promotion):
– WebサイトやSNSを活用して、サービスの特長や成果を積極的に発信します。
– 顧客の成功事例や満足度の高いフィードバックを活用し、信頼性と専門性をアピールします。
以上が、4P分析結果となります。より詳細に今の現状を把握できていると実感できますね。では、ここで少し視点を変えて顧客側からの視点に目を向けてみましょう。
顧客分析は、4C分析です。ここでは徹底的に顧客目線で自社がどう見えているかを検証していきます。ここで自社の都合を排除することで、今後の戦略確度が高められます。4Cは顧客価値(Customer value)・コスト(Cost)・利便性(Convenience)・コミュニケーション(Communication)
で、これらのことを指します。では、結果を見てみましょう。
4C分析:
1. 顧客価値 (Customer value):
– キャリアコンサルティングの顧客は、自己成長やキャリアの発展を目指す個人や、組織の人材開発部門、HR担当者などが含まれます。
– ゴールは、顧客のニーズや要望を理解し、それに応じたサービスを提供することです。
2. コスト (Cost):
– 顧客が支払う料金は、提供する価値やサービスの質に見合ったものである必要があります。
– 同業他社との比較や市場の価格動向を考慮し、適正な価格設定を行います。(無形商材のため慎重にプライシングが必要)
3. コンビニエンス (Convenience):
– キャリアコンサルティングのサービスは、顧客が利用しやすいことが不可欠です。
⇒そのため、 オンラインプラットフォームや予約システムの導入、臨機応変に対応できるようオンライン/対面コンサルティング提供など、顧客のニーズに合わせた柔軟性を重視します。
4. コミュニケーション (Communication):
– 顧客とのコミュニケーションは透明性と信頼性が求められます。
– WebサイトやSNSを活用し、情報の提供やフィードバックの収集を積極的に行います。
以上が4C分析です。顧客目線を留意して今後の戦略にも盛り込んでいく必要があります。
続いては自社の外部を分野ごとに区切っていろいろな角度からより詳しく見ていきましょう。そのためにPEST分析を実施します。PESTは政治(Political)・経済(Economic)・社会(Social)・技術(Technological)からなる分析方法です。では、分析結果を見てみましょう。
PEST分析:
1. 政治 (Political):
– 政府の規制や法律の変化が事業に影響を与える可能性があります。
– 政府の教育政策や雇用政策の変化に対応する必要があります。
2. 経済 (Economic):
– 経済の成長や不況、雇用状況の変化が需要に影響を与えます。
– 顧客の経済的状況や予算に合わせた価格設定が重要です。
3. 社会 (Social):
– 社会的トレンドや価値観の変化がサービスの需要に影響を与えます。
– ワークライフバランスの重視やキャリア教育の需要増加などをポジティブ要素として考慮します。
4. 技術 (Technological):
– 技術の進化により、オンラインプラットフォームやデジタルツールの活用が重要になります。
– 技術の変化に迅速に対応し、顧客に最新のサービスを提供することが求められます。
以上がPEST分析になります。顧客目線や外部の状況についてかなり理解が進んできました。マクロの視点をミクロに戻していきましょう。
そのためにSWOT分析を実施します。SWOTは強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)からなる分析方法です。では、分析結果を見てみましょう。
SWOT分析:
1. 強み (Strengths):
– 豊富な経験と専門知識
– カスタマイズされたサービス提供
– 高品質な顧客サポート
2. 弱み (Weaknesses):
– 新規参入の障壁が比較的低い
– 大手コンサルティングファームとの競争
– 一部の顧客にとって価格が高い可能性
3. 機会 (Opportunities):
– キャリア教育の需要増加
– オンラインサービスの拡大
– 新たな市場セグメントの開拓
4. 脅威 (Threats):
– 新規参入や代替品の脅威
– 競合他社との価格競争
– 政府の規制変更による影響
以上がSWOT分析です。自社がどのような局面に置かれているかが具体的になってきました。自社についてよく理解することは今後の意思決定のためにも非常に重要度が高いはずです。
そして最後にファイブフォース分析をします。前述したPEST分析におけるThreats(脅威)の部分をクローズアップして、あらかじめ脅威をできる限り想定しておきます。同業界への知識を深めることにもなります。
ファイブフォースとは直訳すると5つの力です。要するに、影響されうる5つの力のことで脅威と同義です。
ファイブフォース分析:
1. 新規参入の脅威:
– キャリアコンサルティング市場への新規参入は、低コストのオンラインプラットフォームや個人コンサルタントの台頭により比較的容易です。
– 価値提供や顧客サービスの差別化がすべてです。
2. 代替品の脅威:
– キャリア教育プログラムや自己学習プラットフォームが代替品となり得ます。
– 我々の強みは、個別指導や専門的なキャリアアドバイスなど、よりパーソナライズされたサービスの提供です。
3. 顧客の交渉力:
– 顧客の交渉力は高めだと推定されます。彼らは複数の選択肢があり、価格やサービスの品質に敏感です。割とシビアな判断をくだされます。
– カスタマーサービスや顧客満足度向上に注力することが重要です。顧客の主観的な振り返りを顧みることは必須だが、あまりそこに囚われることは顧客側に本音と建前がある以上気をつけなければいけないです。
4. 供給業者の交渉力:
– 専門的なコンサルタントやプラットフォームプロバイダーは供給業者となります。
– 供給業者の交渉力は一般的ですが、特定の専門性を持つ業者によっては高いことがあります。
5. 競合他社間での競争の脅威:
– キャリアコンサルティング市場は競争が激しいです。大手コンサルティングファームから個人のコーチまで、様々な競合が存在します。基本的には大手ファーム強しの構図です。
– 差別化や独自の強みを持ち、顧客のニーズに応えることが最低ラインになります。
以上がさまざまな分析方法を実践した結果です。これらを基に、私たちがどのように訴求していくのかまで見てもらいましょう。
LEMITHが示す訴求ポイント
1. 差別化されたサービス提供: 豊富な経験と専門知識を活かし、顧客のニーズに合わせたカスタマイズされたサービスを提供します。個別指導や専門的なキャリアアドバイスを強化し、市場での差別化を図ります。
2. テクノロジーの活用: 技術の進化に迅速に対応し、オンラインプラットフォームやデジタルツールを積極的に活用します。顧客がいつでもどこでも利用できる柔軟なサービス提供を行います。
3. 顧客満足度の向上: 高品質な顧客サポートと効果的なコミュニケーションを通じて、顧客満足度を向上させます。顧客のニーズを理解し、サービス提供における問題解決に焦点を当てます。
以上の分析を踏まえて、顧客中心のアプローチを重視し、価値のあるサービス提供とデジタルツールの活用、顧客満足度向上に注力していることをアピールできるように意識してホームページ制作を実施しました。特に力を入れたWebデザインでは、信頼性と清潔感を引き出すことに重きを置いて構築し、デザインカラーには白を基調としながらも青色や黄色のインパクトを利用しました。見せ方と同時に、企業様へのLEMITHからのフィードバックとして、分析結果とともに所感としてですが、御社様の競争力の維持と成長のためには、信頼性と透明性には引き続き尽力し続けるべきだということも僭越ながらお伝えさせていただきました。
今回のケースでは、一部分ながらLEMITHがどういうスタンスでホームページ作りをしているかをお見せしました。その他にもLEMITHのサービスや制作内容等にご興味ありましたら、是非 お気軽にお問い合わせください。お待ち申し上げております。